健診心電図の「1度房室ブロック」とは?放置リスクと受診目安を解説
健診心電図の「1度房室ブロック」とは?放置リスクと受診目安を解説とはどのようなものなのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。
心電図検査において、医師は波形のどのような変化を見て1度房室ブロックと判定しているのでしょうか。その判断の鍵を握るのが、心電図波形に現れる「PQ時間(またはPR時間)」と呼ばれる指標です。 心電図の基本波形は、心房の興奮を表す「P波」、中継地点の通過時間を示す「PQ間隔」、そして心室の収縮を意味する「QRS波」で構成されています。健康な成人の場合、心房が興奮し始めてから心室が興奮を開始するまでの所要時間は、およそ0.12秒から0.20秒(120〜200ミリ秒)の間に収まります。 心電図の記録紙は通常、1秒間に25ミリの速度で進むため、小さな1マスが0.04秒、太い線の5マス(大きな1マス)が0.20秒に相当します。P波の立ち上がりからQRS波の開始点までの長さが「大きな1マス(0.20秒)」を超えて伸びている状態を確認した際、心電図診断として「1度房室ブロック」が確定します。 この遅延が生じる背景には、自律神経の働きが大きく関わっています。人間の身体は、交感神経が優位になると脈拍が速まり伝導速度も上がりますが、休息時やリラックス時に副交感神経(迷走神経)が強く働くと、房室結節のブレーキ作用が強まり、PQ時間が自然と延長します。つまり、病的な異常というよりも、自律神経のトーン変化によって生理的に現れるケースが少なくありません。