初夏の風物詩「さなぶり餅」とは?田植えの伝統と奈良の名店を徹底解剖

初夏の風物詩「さなぶり餅」とは?田植えの伝統と奈良の名店を徹底解剖についての最新情報を徹底解説します。

「さなぶり餅」を紐解くうえで欠かせないのが、言葉そのものに宿る農耕儀礼の歴史です。漢字では「早苗饗餅」と書き、古来日本において極めて重要な意味を持っていました。

「さなぶり」の語源は、田の神である「さの神」が山へと帰られる「神送り」を意味する「さ昇り(さのぼり)」が転訛したものと伝えられています。春の初めに山から降りて田を守り、無事に田植えを終えさせてくれた神を、ご馳走でもてなしてもとの山へとお送りする儀式が「早苗饗」でした。

当時の田植えは村総出の共同作業であり、命がけの重労働でもありました。すべての苗を植え終えた解放感のなか、田主が作業を手伝ってくれた「早乙女(さおとめ)」や若者たちに酒や餅を振る舞い、互いの労苦を癒やした宴席の主役こそが、このさなぶり餅だったのです。神と人が同じものを食す「神人共食」の精神が、今なおその素朴な姿の中に息づいています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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