松田聖子「風立ちぬ」喉の異変と大滝詠一の奇跡|45年の真実

松田聖子「風立ちぬ」喉の異変と大滝詠一の奇跡|45年の真実の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。

「風立ちぬ」を語る上で欠かせないもう一人の立役者が、作詞を手掛けた松本隆です。前作「白いパラソル」から松田聖子のシングル表題曲を担当し始めた松本は、本作において日本の歌謡曲が描いてきた「受け身で涙を流す少女像」からの脱却を明確に試みました。

タイトルの「風立ちぬ」は、フランスの詩人ポール・ヴァレリーの詩「海辺の墓地」の一節「風立ちぬ、いざ生きめやも(Le vent se lève, il faut tenter de vivre)」と、それを題名に冠した堀辰雄の小説『風立ちぬ』への直接的なオマージュです。歌詞の中に散りばめられた情景描写は、秋の高原を舞台にした美しい別れのドラマを鮮烈に描き出しています。

歌詞の意味を深く読み解くと、特筆すべきはサビに登場するフレーズです。「風立ちぬ 今は秋 帰らぬ人と知りながら」と失恋の痛手を抱えながらも、最後には「今日から一人きり 生きてゆけそう」と凛とした決意が示されます。男性にすがって泣き暮れるのではなく、喪失の痛みを抱きしめたまま自立して歩み出す女性の姿。これこそが、松本隆が松田聖子という不世出のシンガーに投影した新しい時代のヒロイン像でした。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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