鼻血が毎日片方だけ出る原因は?危険な病気のサインと受診目安

鼻血が毎日片方だけ出る原因は?危険な病気のサインと受診目安についての真相を徹底解説します。

単なる乾燥や引っかき傷であれば、適切な局所処置によって数日から1週間程度で治癒へ向かいます。しかし、出血が連日にわたり持続・悪化している場合、いわゆる鼻血毎日出る病気の可能性を慎重に精査しなければなりません。臨床的に特に警戒すべき病態は、局所性疾患と全身性疾患の2つに大別されます。

第一に警戒すべき局所疾患が、鼻腔や副鼻腔に生じる腫瘍性病変です。とりわけ中高年以降に発症リスクが高まる上顎洞がんをはじめとする副鼻腔がんは、初期段階において自覚症状が極めて乏しく、「片側から混じる少量の血性鼻汁」が唯一の手がかりとなるケースが少なくありません。病巣が進行すると、膿のような悪臭を放つ鼻汁(副鼻腔炎様症状)や、頬部の腫れ、歯の浮くような痛み、顔面の知覚麻痺が引き起こされます。また、良性であっても血管腫(毛細血管拡張性肉芽腫など)が鼻中隔や鼻甲介に形成されている場合、触れるだけで噴出するような出血を連日引き起こす原因となります。

第二に、止血機構そのものを破綻させる全身性リスクです。基礎疾患としての高血圧は、動脈硬化が進んだ血管に高い圧力をかけ続けるため、血管壁を破綻させやすく、かつ一度出た血を止まりにくくさせます。さらに、血液をつくる骨髄の異常である白血病や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)では、血小板数が激減することで「擦った覚えもないのに片側の鼻からじわじわと出血が湧き出し、止まらない」という事態が生じます。

近年、高齢化に伴って急増しているのが抗凝固薬副作用です。心房細動や脳梗塞、虚血性心疾患の再発予防としてワーファリンやDOAC(直接経口抗凝固薬)、抗血小板薬を服用している患者は、健常者に比べて止血時間が大幅に延長します。服薬中の患者が「毎日のように片側からダラダラと血が出る」と訴える場合、薬の効きすぎによる重篤な出血性合併症の前兆である危険性があるため、主治医との早急な連携が不可欠です。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest