便の表面に血がついたら要注意!痔か大腸がんか医師が教える見分け方
便の表面に血がついたら要注意!痔か大腸がんか医師が教える見分け方の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。
排便時に確認される出血は、発生している部位(出血源)と肛門までの距離、そして出血してからの経過時間によって色や混ざり方が大きく異なります。便の表面に血がついている場合、鮮血(鮮やかな赤い血)である理由の多くは、肛門やその直上に位置する直腸など、消化管の「出口に近い部位」で出血が起きているためです。
胃や十二指腸などの上部消化管から出血した場合、血液中のヘモグロビンが胃酸や腸内細菌によって酸化されるため、真っ黒なタール便(黒色便)となって排出されます。これに対し、S状結腸や下行結腸、直腸、肛門といった下部消化管で起きた出血は、酸化される前に体外へ排出されるため、目に見えて鮮やかな赤色を呈します。
特に注意深く観察すべきなのは「便と血の混ざり具合」です。便そのものに血液が練り込まれているのではなく、硬い有形便の外側に筋状に付着している、あるいは排便の最後に便の周りに血が滴り落ちるといった状態は、直腸や肛門管周辺の病変を強く示唆しています。
また、血液だけでなくゼリー状の粘液が混ざり合う「粘血便」が見られる場合は、腸の粘膜全体に広範な炎症が起きている疑いがあります。代表的な疾患が難病指定されている潰瘍性大腸炎や感染性腸炎であり、通常の便の表面に出血する痔とは病態が根本から異なります。出血の色調と性状を把握することは、病巣の位置を特定する極めて重要な手がかりとなります。