物理学者・寺田寅彦の教えとは?現代に響く防災視点と随筆の魅力
物理学者・寺田寅彦の教えとは?現代に響く防災視点と随筆の魅力についての最新情報をご紹介します。
「天災は忘れた頃にやってくる」——。日本人の防災意識の根幹をなすこの名言。自らの口から繰り返し語られ、弟子たちへと受け継がれたこの言葉には、深い洞察が込められている。
1923年の関東大震災を自ら被災体験し、直後に書き上げられた代表的論文『天災と国防』。この著作で彼は、文明が進歩すればするほど災害の被害が複雑化し、かえって人的・経済的ダメージが壊滅的になるという「文明のパラドックス」を鋭く指摘した。自然現象そのものを止めることはできない。だが、人間の無知と過信が生み出す人災は防げるはずだという警告は、巨大都市を抱える現代社会にそっくりそのまま突きつけられている。