高級魚ヒラマサとは?ブリとの決定的な違いや旬・味の真実を徹底解剖
高級魚ヒラマサとは?ブリとの決定的な違いや旬・味の真実を徹底解剖の背景について、専門知識を基に徹底解説します。
水産関係者や鮨職人の間で古くから語り継がれているのが「夏はヒラマサ、冬はブリ」という格言です。この言葉の裏には、両魚種の産卵周期と脂質の代謝メカニズムにおける明確な科学的根拠が存在します。
ブリは春先に産卵期を迎えるため、産卵に向けてエネルギーを最大に蓄える12月から2月の冬場に脂質含有量がピークに達します。これが「寒ブリ」と呼ばれる所以であり、脂質含有量は20%近くまで跳ね上がります。しかし産卵を終えた初夏以降のブリは、エネルギーを使い果たして身が痩せ、脂の乗らない「スカスカ」の状態に陥ってしまいます。
一方のヒラマサは、春から初夏にかけて産卵を行った後、驚異的な回復力で初夏からエサを荒食いし始めます。海水温が上昇し他の青魚が味を落とす6月から10月にかけて極上の脂を身にまといます。ヒラマサの脂質含有量は平均して8〜12%前後とブリほど過剰には増えませんが、そのぶん身肉のアミノ酸組成と筋繊維密度が極めて高く、脂の「くどさ」が一切ありません。
身質は半透明の美しい飴色を帯び、包丁を入れた瞬間に吸い付くような弾力を感じさせます。噛みしめると最初に心地よいコリコリとした歯ごたえが訪れ、咀嚼するにつれて上質なオレイン酸主体の澄んだ甘みと、青魚特有のコクがじんわりと口腔内に広がっていきます。また、ブリのように季節による極端な味の劣化が少なく、年間を通じて安定した品質を保てる点も料理人から重宝される理由です。