丸の内サディスティックのコード進行解剖!丸サ進行の秘密と弾き方
丸の内サディスティックのコード進行解剖!丸サ進行の秘密と弾き方の全体像を詳しく解説してご紹介します。
音楽ファンの間でまことしやかに語られる言説のひとつに、「丸サ進行はグローヴァー・ワシントン・ジュニアの名曲『Just The Two of Us』と全く同じであり、単なる流用に過ぎない」というものがあります。しかし、この言説には理論的な盲点と誤解が含まれています。
確かに、コードの骨格である「ⅣM7 → Ⅲ7 → Ⅵm7」の流れは、1980年代初頭のブラックコンテンポラリーを象徴するJust The Two of Us 進行そのものです。しかし、決定的な違いは「4つ目のコードの処理」と「メロディの音階選択」にあります。
本家『Just The Two of Us』では、4小節目に「Ⅴm7 → Ⅰ7(または同等のツーファイブ進行)」を通過させてより洗練されたジャズ/R&B的な転回を見せることが多いのに対し、椎名林檎の『丸の内サディスティック』では、よりストレートでパンキッシュな「Ⅰ7(E♭7)」を叩きつけています。さらに、ベースアレンジを担当した名プロデューサー・亀田誠治氏によるドライブ感あふれるライン(丸の内サディスティック ベースライン TAB譜でも屈指の人気を誇るフレーズ)が、ブラックミュージック由来の洗練されたコードに、泥臭いガレージロックの熱量を吹き込みました。
近年のJ-POPシーンを見渡すと、以下のように無数のフォロワー楽曲が存在します。
【丸サ進行 ヒット曲 まとめ】
- 米津玄師:『感電』『KICK BACK』(要所でのアプローチ)
- YOASOBI:『夜に駆ける』『群青』
- ずっと真夜中でいいのに。:『秒針を噛む』
- あいみょん:『愛を伝えたいだとか』
- 藤井風:『きらり』
- Vaundy:『不可幸力』
これらの楽曲はいずれも「丸サ進行」の持つ哀愁と中毒性を巧みに血肉化していますが、単にコードをなぞるだけでは二番煎じに終わります。名曲たらしめているのは、コードの隙間を縫うように配置されたペンタトニックスケールとブルーノート、そして独自の言語感覚による符割りの妙なのです。