マグロは泳がないと死ぬ?止まると窒息する衝撃の理由と睡眠の真相
マグロは泳がないと死ぬ?止まると窒息する衝撃の理由と睡眠の真相の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
マグロが泳ぎを止められない理由は、呼吸の問題だけに留まりません。実は、流体力学と浮力という物理的な要因も大きく絡んでいます。
通常の硬骨魚類は体内に「浮き袋」を持ち、気体の量を調節して水中での比重を海水とほぼ同じ(中性浮力)に保っています。しかし、クロマグロなどの大型回遊魚は、急速な潜行や急浮上を頻繁に行う生活様式を持っています。水深数百メートルを一気に移動する際、気体で満たされた大きな浮き袋があると、急激な水圧変化によって破裂したり異常膨張したりして致命傷になりかねません。
その結果、マグロは成長に伴って浮き袋を退化・縮小させました。成魚のマグロの比重は海水よりも重く、いわば「水に沈む鉄の塊」のような状態です。では、なぜ水底に沈んでしまわないのか。その秘密は、胸ビレの形状と前進運動にあります。
マグロはピンと張った胸ビレを航空機の主翼のように広げ、前進することで上向きの力、すなわち動的揚力(リフト)を発生させています。つまりマグロにとって泳ぐことは、呼吸のために空気を吸い込む行為であると同時に、海中に墜落しないための飛行そのものなのです。泳ぎを止めてしまえば、呼吸停止による窒息と同時に、暗黒の深海へとどこまでも落下していくことになります。