工場萌えから最新視点へ!大山顕が仕掛ける都市鑑賞論の新地平

工場萌えから最新視点へ!大山顕が仕掛ける都市鑑賞論の新地平の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

2000年代初頭、夜のコンビナートにカメラを向けた彼のアクションは、ひとつの熱狂を生んだ。「工場萌え」という言葉の浸透だ。それは単なるフェティシズムではない。機能を極限まで追求した結果として生まれた配管の幾何学、蒸気、無機質な鉄骨の絡み合いを、純粋な視覚体験として愛でる視線の獲得だった。

ウェブ黎明期のカルチャーを牽引した『デイリーポータルZ』での軽妙洒脱な記事群や、巨大構造物を捉えた『ジャンクション写真集』。大山顕の試みは、単なるマニアの趣味領域を鮮やかに飛び越え、日本の「都市論・建築土木写真」のあり方そのものを塗り替えていく。団地の給水塔、立体交差、高架橋。人が造りながらも人間のスケールを超えてしまった構造物に、彼は温かくも乾いたレンズを向け続けた。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest