映画ターミナルの実話と結末の真相|空港に18年住み続けた男の光と影
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本作の圧倒的なリアリティを支えているのが、緻密に練り上げられたキャスト陣の演技と、映画史に残る規格外の美術セットです。主役のトム・ハンクスは、ロシア出身の知人の身振りや訛りを徹底的に研究し、言葉が通じないもどかしさと持ち前の愛嬌を完璧に体現しました。
物語を彩る脇役陣のアンサンブルも見逃せません。ビクターの前に立ちはだかる官僚主義の象徴ディクソン役のスタンリー・トゥッチをはじめ、不法就労の過去を抱えながらビクターのために自らを犠牲にする清掃員グプタ役のクマール・パッラーナ、のちに世界的スターとなるゾーイ・サルダナが入国審査官役で瑞々しい演技を披露しています。
特筆すべきは、映画の舞台となった空港ターミナルが「すべて実物大で作られた巨大セット」である点です。9.11テロ以降、本物の国際空港での長期ロケ撮影は保安基準上不可能でした。そこでスピルバーグ監督は、カリフォルニア州パームデールにある巨大な飛行機格納庫内に、3階吹き抜けの巨大空港セットを建設しました。実際に稼働するエスカレーターを備え、ヒューゴ・ボスやバーガーキングなど実在する35以上の有名ブランド店舗が完全再現されたこのセットは、製作費の多くを投じた映画美術の最高峰として知られています。