いちごは野菜か果物どっち?農林水産省の定義と植物学の真実
いちごは野菜か果物どっち?農林水産省の定義と植物学の真実についての最新情報を徹底解説します。
いちごをめぐる分類の奥深さは、生産基準だけでなく植物学上の違いにも存在します。私たちが普段「果実」と呼んで美味しく頬張っている赤く膨らんだ部分は、植物学的には果実ではありません。
あの赤くて甘い部分は、茎の先端にある花の土台である「花托(かたく)」または「受咲(じゅさい)」が肥大化したものです。植物学ではこのような構造を持つものを「偽果(ぎか/仮果)」と呼びます。
では、いちごの「本当の果実」はどこにあるのでしょうか。答えは、表面にびっしりと並んでいるゴマのような小さな粒々です。この一つひとつの粒こそが、植物学上の果実に該当する「痩果(そうか)」と呼ばれる組織です。痩果の内部に極小の種子が1つずつ包まれており、1粒のいちごを食べることは、実は数百個もの果実を一度に食べていることと同義なのです。
植物学の世界には「野菜」という概念そのものが存在せず、草本か木本か、あるいは花や実の構造がどうなっているかという形態学的分類のみが用いられます。形態学的に見ても、いちごは極めてユニークな多花果・偽果の構造を持っています。