剛健を極めた北魏楷書の至宝!魏霊蔵造像記が明かす刀法の真実

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中国・河南省洛陽の南に位置する伊水の両岸。その西山断崖に穿たれた龍門石窟古陽洞こそ、怪異なる造形美が誕生した現場である。北魏の孝文帝による洛陽遷都に伴い、貴族や高官、僧侶たちが競うように仏像を奉納した。その祈りの言葉を岩壁に留めた無数の銘文のなかでも、ひと際異彩を放つのが将軍・魏霊蔵らが発願した一基だ。

文字の角が四角く切り落とされたような「方筆」。筆先を無造作に叩きつけたかのような起筆と、鋭く尖った払い。丸みを帯びた優雅な王羲之の伝統とは正反対の美意識が、ここでは堂々と主役を張っている。荒々しい岩肌と刻工の手仕事が呼応し合い、書というよりは抽象彫刻に近い緊張感を生み出した。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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