副鼻腔炎の咳が止まらない原因は後鼻漏?夜間悪化の真相と正しい治し方

副鼻腔炎の咳が止まらない原因は後鼻漏?夜間悪化の真相と正しい治し方の重要なポイントについて、専門知識を取りまとめてご紹介します。

ドラッグストアで手に入る一般的な市販咳止め薬は、延髄にある咳中枢の興奮を鎮める「中枢性鎮咳成分(デキストロメトルファン、ジヒドロコデイン等)」が主成分です。しかし、副鼻腔炎による咳に対してこれらの薬を服用することは、時に逆効果となるリスクすら孕んでいます。

喉の奥に細菌まみれの粘稠な分泌物が物理的に流下している状況で、薬によって咳反射だけを無理に止めてしまうと、本来気道外へ排出すべき異物が気管や気管支の奥深くまで落ち込み、気管支炎や誤嚥性肺炎を誘発する恐れがあります。また、多くの市販総合感冒薬に含まれる抗ヒスタミン薬の一部(第1世代成分など)は、抗コリン作用によって鼻水の分泌を減らす反面、分泌物の粘度を極端に高めてしまい、喉に張り付いて余計に排出されにくくなるという皮肉な結果を招きます。

では、医療機関ではどのような治療が行われるのでしょうか。急性副鼻腔炎で細菌感染が明らかな場合はアモキシシリンなどのペニシリン系抗菌薬が用いられますが、発症から1ヶ月以上経過した慢性副鼻腔炎の場合、第1選択となるのはクラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリシッド等)に代表されるマクロライド系抗生剤の「少量長期投与(マクロライド療法)」です。

この治療法は、細菌を直接殺菌する通常の用量の半分程度を2〜3ヶ月にわたって継続投与する手法です。目的は殺菌ではなく、マクロライド系薬剤が持つ特異的な「抗炎症作用」「粘液分泌抑制作用」「気道粘膜の線毛運動活性化作用」を利用することにあります。これにより副鼻腔粘膜の慢性的な腫れが引き、後鼻漏の産生自体が激減するため、結果として頑固な咳が根底から消失していきます。加えて、去痰薬であるカルボシステイン(ムコダイン)を併用し、膿の粘度を下げて排出を促す処方が標準的です。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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