ハドソン川の奇跡・208秒の真実とサリー機長の現在|全員生還の裏側

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ラガーディア空港を離陸した直後の午後3時27分、高度約2,800フィート(約850メートル)を上昇中だったエアバスA320型機に、突如として巨大なカナダガンの群れが衝突しました。いわゆるバードストライクです。機長を務めていたのは、当時57歳、飛行時間約2万時間を誇るベテランのチェスリー・サレンバーガー(愛称:サリー)氏でした。

衝突の瞬間、左右双方のCFM56エンジンが鳥を吸い込み、爆発音とともに推力を完全に失いました。通常、高度1万メートル以上を巡航中であれば滑空時間を確保できますが、今回は超低空飛行中。残された猶予はほとんどありませんでした。

航空管制官は即座にラガーディア空港の滑走路13、あるいは近隣のテターボロ空港への緊急着陸を提案しました。しかし、サリー機長は即座に機体の降下率と速度を計算し、「届かない(We can't do it)」と返答。人口密集地であるマンハッタン上空を避け、眼下に広がる広大な水面――ハドソン川への不時着水という極めて異例の決断を下したのです。エンジン停止から水面接地まで、わずか208秒(3分28秒)の出来事でした。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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