クラガンモア12年の終売噂と味の真実|定価推移と極上の飲み方を徹底解剖
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クラガンモア蒸留所は、1869年にスコットランド・ハイランド鉄道のバリンダロッホ駅近くに設立されました。創業者であるジョン・スミス氏は、ザ・グレンリベットやマッカラン、グレンファークラスといった名門蒸留所のマネージャーを歴任した、19世紀スコッチ界の伝説的ディスティラーです。彼が「理想のシングルモルト」を追い求めて自ら設計・創設したのがこの蒸留所でした。
クラガンモアの味の特徴を決定づけているのが、ウイスキー業界でも極めて珍しい「T字型(フラットトップ)の初留釜」と「伝統的な木製ワームタブ(蛇管冷却器)」の組み合わせです。
蒸留器の頂部が平らに切り落とされたような特殊なスチル形状は、重い香味成分を釜の内部へと強く還流(リフラックス)させ、軽やかでフルーティーなエステル成分のみを効率的に上部へ導きます。しかし、凝縮器にはあえて近代的なシェル&チューブではなく、冷却効率が緩やかで硫黄成分を残しやすい古典的なワームタブを使用しています。この相反する要素の融合によって、「軽やかで華やかな花香」を持ちながらも「噛みごたえのある重厚な麦芽のコク」を兼ね備えた、唯一無二の多層的な酒質が生み出されるのです。
その極めて複雑な香味設計は、名ブレンデッドウイスキー「オールドパー」のブレンダーたちを虜にし、現在もその骨格を支える最も重要なキーモルトとして君臨しています。一口含むだけで、青リンゴ、洋梨、蜂蜜、ハーブ、バニラ、かすかなスモーキーさとナッツの風味が次々と現れては消える万華鏡のような味わいは、この緻密な職人技の結晶です。