ベクトル方程式の存在範囲を完全攻略!斜交座標の裏技と頻出解法

ベクトル方程式の存在範囲を完全攻略!斜交座標の裏技と頻出解法にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

存在範囲が図示できたら、次の関門となるのが面積の算出です。近年の入試問題では、領域を図示させた上で「元の $\triangle\text{OAB}$ の面積を $S$ とするとき、点Pの存在領域の面積を $S$ を用いて表せ」という求積問題がセットで出題されます。

面積比を求める際、わざわざ複雑な三角比や外積の計算を行う必要はまったくありません。押さえるべき道具は、中学校で習う「相似比と面積比の関係」および「高さが共通な三角形の底辺比」の2つだけです。

具体的な例として、条件式が「$1 \le 2s + t \le 3, s \ge 0, t \ge 0$」で与えられたケースを考えてみましょう。まず係数を整理して境界線の端点を割り出します。

$$2s + t = k \quad (1 \le k \le 3)$$

両辺を $k$ で割ると、$\frac{2s}{k} + \frac{t}{k} = 1$ となり、$\vec{OP} = \left(\frac{2s}{k}\right)\left(\frac{k}{2}\vec{OA}\right) + \left(\frac{t}{k}\right)(k\vec{OB})$ と変形できます。つまり、点Pは線分 $A_k B_k$ 上を動きます(ただし $\vec{OA_k} = \frac{k}{2}\vec{OA}, \vec{OB_k} = k\vec{OB}$)。

$k=3$ のとき外側の三角形の面積は、元の $\triangle\text{OAB}$ に対して底辺が $\frac{3}{2}$ 倍、もう一辺が $3$ 倍になるため、面積は $\frac{3}{2} \times 3 \times S = \frac{9}{2}S$ となります。同様に $k=1$ の内側の三角形の面積は、$\frac{1}{2} \times 1 \times S = \frac{1}{2}S$ です。求める領域は外側の三角形から内側の三角形を取り除いた台形部分ですから、以下のように即座に計算できます。

$$\text{求める面積} = \frac{9}{2}S - \frac{1}{2}S = 4S$$

このように、ベクトル存在範囲と面積比の求め方は、基底ベクトルの伸長倍率を掛け合わせるだけの算数的な処理に落とし込むことが可能です。変形の手順さえ確立していれば、どんなに複雑な係数であっても計算ミスを未然に防ぐことができます。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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