スパンドレルの防火区画基準|900Mm規定と庇緩和の落とし穴
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ファサードの全面ガラス張りや開放的な大開口を計画する場合、900mmの腰壁・垂れ壁を確保することが意匠上の制約となるケースは少なくありません。そこで令第112条では、火炎の上昇気流を外側へ押し出し、直上開口部への直接接触を避けるための構造的緩和措置を認めています。代表的な緩和策が、外壁面から50cm以上突出した庇(ひさし)やバルコニー、または横方向の延焼を遮る袖壁防火区画基準の適用です。
主要な区画タイプと開口部離隔距離、緩和要件の適合関係は以下の通りです。
区画区分・延焼方向原則となる寸法基準適用可能な緩和規定実務上の注意点・評価竪穴区画(上下階)開口部間垂直距離:900mm以上庇50cm緩和規定(耐火構造の庇等を50cm以上突出)階段室・EVシャフト等の外壁開口と一般室開口が隣接する場合に厳格適用。面積区画(水平隣接)面積区画開口部離隔距離:同一平面上で900mm以上耐火構造の袖壁を外壁面から50cm以上突出区画壁の芯から左右に各450mm以上、または区画壁直上に袖壁を設ける。入隅部(L字・コ字型)入隅を挟む開口部間距離:900mm以上一方の開口部に特定防火設備を設置入隅の角度によって火炎の滞留が発生しやすいため、行政判断の事前確認が必須。開口部自体の防火化離隔距離が900mm未満となる開口部特定防火設備スパンドレル対応(はめ殺し等)遮炎性能を有する防火設備・特定防火設備の認定仕様を外壁開口に組み込む。
ここで極めて重要な実務的留意点は、庇50cm緩和規定を適用する際の突出長の測定起点です。サッシの外端面ではなく、外壁の仕上げ面や躯体面からの実寸法として審査される自治体が多く、シーリング幅や水切り金物の出幅を含めることは認められません。