イギリス地方選挙で何が起きたのか?保守党大敗の真相と最新政局
イギリス地方選挙で何が起きたのか?保守党大敗の真相と最新政局とはどのようなものなのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
地方選挙のハイライトとして全世界が注目したのが、ロンドン市長選挙最新の結果です。労働党の現職サディク・カーン市長が、保守党候補スーザン・ホール氏を大差で破り、2000年の市長職創設以来初となる「3期連続当選」という歴史的偉業を達成しました。
選挙戦の最大の争点となったのは、大気汚染対策としてロンドン全域に拡大された「超低排出ゾーン(ULEZ)」の是非でした。基準を満たさない旧式車両に1日あたり12.5ポンド(約2,500円)の通行料を課すこの政策に対し、郊外のマイカー通勤者や個人事業主を中心に激しい反発が巻き起こり、保守党側は「カーンによる市民生活への増税」として激しいネガティブキャンペーンを展開しました。
現地でのサディク・カーン市長評判は、決して一枚岩の賞賛に包まれていたわけではありません。公共交通機関(TfL)の運賃凍結や公立小学校の給食無償化といった低所得者支援策が高く評価された一方で、若年層の刃物犯罪(ナイフクライム)の増加や住宅価格の高騰に対しては厳しい批判が寄せられていました。それでも有権者が下した決断について、政治社会学の観点からは「ULEZへの不満を上回る、保守党への強い忌避感」が勝ったと分析されています。保守党候補の過激な右派言説がロンドンの多様な多文化コミュニティに受け入れられず、結果としてカーン氏が43.8%の得票率を獲得して逃げ切る構図となりました。