なぜ愛され悪役に?トイストーリー3ロッツォの悲しき過去とその後
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ロッツォというキャラクターの底知れぬ怖さを決定づけたのは、日米双方のベテラン声優による卓越した演技力です。
原語版の声を担当したのは、映画『ネットワーク』や『脱出』で知られる名優ネッド・ビーティ(Ned Beatty)。彼はロッツォを演じるにあたり、アメリカ南部のゆったりとした温かみのあるアクセントを採用しました。まるでおじいちゃんが孫に語りかけるような柔和なトーンでありながら、その裏側に冷徹な計算と狂気を忍ばせた演技は、全米の批評家から絶賛を浴びました。
一方、日本語吹き替え版を担当したのは、重厚な演技と落ち着いた低音ボイスに定評のある名優勝部演之氏です。勝部氏が吹き込んだロッツォは、初登場時の包容力あふれる「良き長老」の響きから、夜のサニーサイドで本性を現した際の低くドスの利いた威嚇ボイスへの急激なシフトが見事というほかありません。
「ようこそ、サニーサイドへ」「ここは痛い思いもしない、捨てられることもない場所だ」と語る甘い誘惑の演技があったからこそ、正体を露わにしたときの暴力性が観客に鮮烈なショックを与えました。声のトーンひとつで愛と狂気の境界線を表現しきった両氏の怪演こそが、ロッツォを名悪役に押し上げた最大の推進力です。