新嘗祭とは?勤労感謝の日の起源と天皇が祈る秘儀の全貌

新嘗祭とは?勤労感謝の日の起源と天皇が祈る秘儀の全貌とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

新嘗祭の当夜、皇居・吹上御苑の東側に位置する神嘉殿(しんかでん)では、外部の人間はおろか侍従や関係者であってもごく一部しか近づくことが許されない厳粛な神事が挙行されます。宮内庁関係者の証言や記録によると、この儀式は夕方から未明にかけて二度に分けて行われます。

第一部が午後6時から午後8時に行われる「夕(よい)の儀」、第二部が午後11時から翌日午前1時にかけて行われる「暁(あかつき)の儀」です。いずれも冷え込みが厳しくなる漆黒の闇の中、電灯は一切用いられず、庭上に焚かれた篝火(かがりび)とわずかな和ろうそくの火明かりだけが揺らめく空間で進められます。

天皇陛下は純白の絹で織られた最も神聖な装束「御祭服(ごさいふく)」を身にまとい、清浄な神嘉殿の内陣へと入られます。神座の前に正座し、皇居内の水田で自ら田植え・稲刈りを行われた新米と、全国47都道府県から献上された粟(あわ)、さらには白酒(しろき)・黒酒(くろき)と呼ばれる古代の製法に倣ったお神酒を、一つひとつ自らの手でお供えされます。

そして最大の特徴が「神人共食(しんじんきょうしょく)」です。神々が召し上がったものと同じ新穀とお酒を、陛下自らも口に含み、神々と同座して一体となる儀礼です。暖房設備のない吹きさらしに近い社殿のなかで、長時間にわたり正座の姿勢を崩さず、国家の平安と国民の繁栄をひたすら祈り続ける過酷な所作は、まさに天皇の全身全霊をかけた祭典といえます。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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