ウサイン・ボルトの記録はなぜ不滅か?9秒58の真相と人類の限界
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陸上男子短距離の歴史において、ウサイン・ボルトの登場は完全なパラダイムシフトでした。それまでの100メートル走の世界記録推移は、100分の1秒から100分の2秒ずつ削り取っていく過酷な歴史でしたが、ボルトはわずか1年余りの間に0秒16も世界記録を短縮させました。
まずは、ボルトが保持する公認自己ベストおよび世界記録の客観的データを整理します。
種目ボルトの記録(樹立年)歴代2位・一般的なトップ水準編集部の見解・分析男子100m9秒58(2009年)9秒69(T.ゲイ / Y.ブレーク)
※一般的な五輪決勝水準:9秒80〜9秒90台2位以下に0秒11の大差をつける異次元のタイム。風速+0.9m/sの好条件下で完璧な疾走を見せた。男子200m19秒19(2009年)19秒26(Y.ブレーク)
19秒31(N.ライルズ)本来の主戦場であり、コーナーワークから直線への加速効率が極めて高く、最も更新が難しいとされる記録。4×100mリレー36秒84(2012年ジャマイカ代表)37秒10(米国代表)
※五輪メダル圏内:37秒40〜37秒70前後カーター、フラター、ブレーク、ボルトの最強カルテット。ボルトのアンカー単独ラップは8秒70前後と推定。最高速度(時速)時速44.72km(60〜80m区間)時速42.0〜43.5km(トップ選手平均)20mを1秒61で通過。人類が道具を使わずに到達した瞬間最高速度の極限値。
オリンピックの舞台においても、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロと3大会連続で個人2冠(100m・200m)を達成。北京のリレー失格(チームメイトのドーピング違反によるメダル剥奪)があったものの、個人としては計8個のオリンピック金メダルを獲得し、大舞台での勝負強さでも群を抜いていました。