子供は差別用語なのか?「子ども」表記が増えた真実と公用文の現在

子供は差別用語なのか?「子ども」表記が増えた真実と公用文の現在の疑問点について、最新情報を取りまとめてご紹介します。

「子供という漢字を使ってはいけない」という言説の発端は、1970年代から1980年代にかけて高まった一部の市民運動や教育関係者の主張に遡ります。彼らは「子供」の「供」という文字が「お供(おとも)」や「供回り(お供の連中)」といった主従関係を連想させ、「大人の従属物や所有物として見下すニュアンスを含んでいる」と問題視しました。子どもの権利条約の批准(1994年)に向けた社会運動のうねりの中で、「子どもの人権を尊重し、独立した主体として扱うべきだ」という理念が過熱し、交ぜ書きである「子ども」表記への変更理由として急速に全国の自治体へ波及した経緯があります。

この動きを受けて、地方自治体の多くが要綱やガイドラインを改定し、広報紙や教育行政の公文書から「子供」の漢字表記を排除する現象が起きました。中には「子供」と書かれた市民からの申請書類に対して平仮名への書き直しを指導する極端な窓口トラブルまで発生し、「子供は差別用語に指定された」という誤解が一般に定着していきました。

しかし、文部科学省はこの過度な規制の流れに明確な歯止めをかけました。2010年の常用漢字表改定で「供」の訓読みに「トモ(こども)」が正式に追加されたことを受け、文科省は2013年8月に「『子供』表記の取り扱いについて」とする通知を関係部局に発出。「子供の表記は差別的な意味合いを持つものではなく、公用文においては原則として『子供』を用いる」という明確な文部科学省の子ども表記指針を示したのです。国の最高教育行政機関の見解として、「子供」は決して差別用語などではなく、公文書で正しく使用すべき標準的な日本語であることが公式に宣言されています。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest