新奇場面とは?子どもの場所見知りの心理と愛着形成の秘密を徹底解説
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新奇場面を用いた心理学実験の中で最も世界的な権威を持つのが、発達心理学者メアリー・エインズワース(Mary Ainsworth)が1970年代に確立した「ストレンジ・シチュエーション法(Strange Situation Procedure)」です。精神分析医ジョン・ボウルビィ(John Bowlby)が提唱した「愛着理論(アタッチメント理論)」を実験的に実証するために考案されました。
この実験では、生後12か月から18か月前後の乳幼児を対象に、おもちゃが置かれた見知らぬ部屋(新奇場面)で以下のような約3分ごとのエピソードを連続して経験させます。
1. 親と子どもが見知らぬ部屋に入る。
2. 子どもが玩具を自由に探索する(親は部屋の椅子で見守る)。
3. 見知らぬ実験者(ストレンジャー)が入室し、親と会話後、子どもに近づく。
4. 親が部屋を静かに退出し、子どもが見知らぬ人と2人きりになる(第1回分離)。
5. 親が戻り、見知らぬ人が退室。親が子どもをなだめる(第1回再会)。
6. 親が再び退出し、子どもが完全に1人きりになる(第2回分離)。
7. 見知らぬ人が入室し、子どもの様子を見る。
8. 親が再び部屋に戻り、子どもを迎える(第2回再会)。
エインズワースらが着目したのは、分離時の泣き声の大きさ以上に、「親が戻ってきた再会場面(リユニオン)で子どもがどう振る舞うか」でした。子どもは養育者を「心の安全基地(Secure Base)」として利用し、安心感が満たされているからこそ、リスクを冒して新奇な環境を探索できるというダイナミズムが浮き彫りになったのです。