木の幹に穴や白い粉?枯れる危険サインと内部構造から学ぶ救済術
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庭木をどっしりと風格のある姿に育てたい場合や、逆に大きくなりすぎた幹を整理したい場合、植物生理に基づいた正しい剪定と管理技術が求められます。
木の幹を太くする方法として最も効果的なのは、「犠牲枝(ぎせいし)」と呼ばれる低い位置の枝をあえて数年間切り落とさずに伸ばし続ける手法です。低位置の枝葉が活発に光合成を行うことで、その直下の幹組織に大量の炭水化物が供給され、幹の基部が急速に肥大します。十分に幹が太くなった段階で犠牲枝を元から切り戻せば、理想的な樹形と太さを手に入れることができます。また、土壌の通気性を高め、リン酸やカリウムをバランスよく施肥することも幹の充実には欠かせません。
一方、太い幹の切断や剪定を行う際には、「ブランチ・バーク・リッジ(枝皮隆起線)」と「ブランチ・カラー(枝の襟首部)」を見極めた切断位置の選定が絶対条件です。幹の根元ギリギリで平らに切り落とす「フラッシュカット」を行ってしまうと、木が傷口を塞ぐために形成するカルス(癒傷組織)の形成層を破壊してしまい、傷口が永久に塞がらず腐朽菌が幹内部へ侵入します。カラーのふくらみを残して斜めに切り、直後に殺菌成分を含んだ癒合剤を隙間なく塗布することが、腐朽を防ぐ鉄則です。
幹の内部が腐って穴が開く空洞化の治療に関しても、近代樹木医学において劇的なパラダイムシフトが起きています。かつて昭和から平成初期にかけて広く行われていた「腐朽部分をノミで徹底的に削り取り、モルタルやウレタン発泡樹脂を隙間なく充填する」という外科手術は、現在では推奨されていません。充填剤の内部に湿気がこもり、かえって内部の腐朽を加速させることが判明したためです。現代の主流は、腐朽部を無理に削りすぎず、雨水が溜まらないように水抜き穴を設置し、通気と乾燥を保ちながら樹木本来の防御帯(CODIT理論に基づく防御層)の形成を助けるアプローチとなっています。