ほくろが膨らんできた原因は?危険な兆候と受診目安を専門記者が徹底解説
ほくろが膨らんできた原因は?危険な兆候と受診目安を専門記者が徹底解説について知っておくべき 注意点を厳選して解説いたします。
診断の結果、ほくろを除去することになった場合、最大の関心事となるのが「健康保険が適用されるかどうか」という制度上の線引きです。日本の公的医療保険制度における原則は、「病気の治療や機能障害の改善を目的とする処置」は保険適用、「見た目の改善を主目的とする美容医療」は全額自己負担(自由診療)となります。
ほくろ除去の保険適用が認められる代表的な条件は以下の通りです。
1. 悪性腫瘍の疑いがある、または悪性腫瘍である場合
ダーモスコピー等でメラノーマや基底細胞癌、有棘細胞癌などの疑いがあり、確定診断のために病理組織検査を行う手術はすべて保険適用となります。
2. 明確な日常生活上の機能障害を伴う場合
目の周囲にあり、膨らみやまぶたの垂れ下がりによって「視野を塞いでいる」場合や、鼻腔や口腔の入り口を狭めている場合です。
3. 慢性的な刺激による出血や疼痛を反復している場合
襟元や下着のゴム、髭剃りの刃が日常的に当たって引っかかり、頻繁に出血やびらん(ただれ)を繰り返していると医師が医学的に切除の必要性を認めたケースです。
保険診療と自費診療の費用感や処置手法の違いを整理すると、以下のようになります。
保険適用での切除術(メスによる紡錘形切除および縫合)の場合、3割負担の患者であれば、病理組織検査費用を含めて約7,000円〜15,000円前後(露出部か非露出部か、大きさによって点数が変動)が一般的な相場です。メスで病変の全層を確実に切除するため、再発率が極めて低く、病理医による確定診断が得られるという絶対的なメリットがあります。一本の細い線状の傷跡が残りますが、形成外科的な縫合技術により時間経過とともに目立ちにくくなります。
一方、純粋な審美目的による自由診療(炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザー等)では、1個あたり5,000円〜30,000円程度の自費費用が発生します。出血が少なくダウンタイムが短い利点がある反面、細胞を熱で蒸散させてしまうため「組織を顕微鏡で調べる病理検査ができない」という重大な側面があります。悪性の可能性を1%でも残している病変に対して、安易にレーザー照射を選択することは医療安全の観点から厳に慎まなければなりません。