内側側副靱帯損傷はなぜ放置厳禁?全治期間と最新リハビリ完全解説
内側側副靱帯損傷はなぜ放置厳禁?全治期間と最新リハビリ完全解説についての真相をご紹介します。
内側側副靱帯損傷を取材する中で、大学病院の整形外科医やプロスポーツのチーフトレーナーが最も警戒感を露わにするのが、合併症の存在です。特に強烈な外反・外旋強制によって発生する複合受傷は、スポーツ医学の世界でオドナヒューの不幸の三徴(Unhappy Triad)として知られています。
これは、以下の3つの組織が同時に破綻する極めて重篤な外傷です。
- 内側側副靱帯(MCL)の断裂:外反ストレスを抑えきれずに最初に損傷。
- 前十字靭帯(ACL)の断裂:MCLの破綻に伴い、膝の前方・回旋制動が耐えきれなくなり断裂。
- 内側半月板(MM)の断裂:大腿骨と脛骨の間で強い剪断(せんだん)応力と圧迫を受け断裂。
「単なる内側の靭帯の伸び」と高を括ってMRI検査を受けずにいると、背後に隠れた前十字靭帯損傷や半月板損傷の併発を見落とす危険があります。内側側副靱帯単独であれば関節内に血腫(関節水腫)が溜まることは少ないですが、ACLや半月板まで損傷が及んでいる場合、受傷後数時間で関節腔内に血液が充満し、膝がパンパンに膨張します。注射器で関節液を吸引した際に「赤褐色の血液」が引けた場合、前十字靭帯または半月板の毛細血管破綻を強く疑わなければなりません。
合併症を放置した際の後遺症は深刻です。歩行時や階段昇降時に膝が突然抜ける「ギビングウェイ(膝くずれ)」が頻発するようになり、軟骨同士が直接ぶつかり合うことで、20代や30代であっても数年で変形性膝関節症へと急速に進行します。「膝の内側の痛みだけでなく、関節の奥深くで何かが引っかかる感覚がある」「深く曲げようとするとロッキングして動かなくなる」という症状がある場合は、半月板が関節の間に挟まり込んでいるサインです。