アメリカンコーヒーとは?薄める誤解の真相とアメリカーノとの違い
アメリカンコーヒーとは?薄める誤解の真相とアメリカーノとの違いとは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
アメリカンコーヒーという言葉は、英語圏には存在しない日本発祥の和製英語です。純喫茶のアメリカンコーヒー発祥と歴史を辿ると、1960年代初頭、東京・神田神保町や銀座の老舗喫茶店で誕生したという説が有力視されています。
当時、アメリカ映画や雑誌を通じて「アメリカ人は大きなマグカップで、薄めの珈琲を何杯も飲みながら会話を楽しんでいる」というライフスタイルが日本に伝わりました。当時日本の喫茶店を支配していたのは、ドイツやフランスの影響を受けた濃厚・重厚なネルドリップ至上主義です。苦味が際立つストロングスタイルに対するアンチテーゼとして、アメリカの日常的な飲用スタイルを模倣した軽やかな珈琲が考案され、親しみを込めて「アメリカン」と命名されたのが始まりでした。
全国の昭和レトロ喫茶を巡るフィールドワーク調査や、古参のマスターたちへの聞き取り取材を行うと、興味深い証言が次々と浮き彫りになります。
「昭和40年代、若い女性や学生さんが喫茶店に押し寄せた時代、ストレートのモカやキリマンジャロは苦すぎたんです。そこで浅煎りのコロンビアやブラジルを粗めに挽いて、大きめのカップにたっぷり注いだら爆発的に売れた。それがうちのアメリカンの原点ですよ」(神田神保町・老舗喫茶店マスターの回想)
近年のSNSやコーヒー専門コミュニティにおけるアメリカンコーヒーの味と酸味の評判を分析すると、かつての「薄くて不味い」というネガティブなイメージは劇的に変容しています。X(旧Twitter)や珈琲愛好家のレビューでは、「上質な浅煎りアメリカンを飲んで初めて珈琲の柑橘系アロマに感動した」「酸味が苦手だと思っていたが、劣化した酸味ではなくフレッシュな果実の酸味だと気づいた」といったポジティブな体験談が急増しています。誤解のベールが剥がれたことで、本来の魅力が正当に評価され始めているのです。