膝のお皿が腫れる滑液包炎の真実|水を抜くべきか放置の危険と治し方
話題沸騰中の 膝のお皿が腫れる滑液包炎の真実|水を抜くべきか放置の危険と治し方について、多角的な視点を整理して公開しています。
人間の膝関節の周囲には、皮膚や筋肉・腱と、硬い骨との摩擦を減らすための小さな潤滑袋が点在しています。これが「滑液包(かつえきほう)」です。通常、この袋の中にはごく微量の滑液(無色から淡黄色の粘り気のある液体)が含まれているに過ぎませんが、過度な摩擦や圧迫、あるいは外傷が加わると、袋の内側を覆う滑膜が炎症を起こし、異常な量の液体を分泌し始めます。
一口に膝のトラブルと言っても、発生する部位によって名称と病態が大きく分かれます。
臨床現場で最も頻繁に遭遇するのが、膝のお皿の腫れとして自覚される「膝蓋前滑液包炎(しつがいぜんかつえきほうえん)」です。膝蓋骨(お皿)の前面と皮膚の間にある滑液包に水が溜まるため、お皿の表面だけがドーム状にプニプニと膨らみます。関節そのものが腫れているわけではないため、「膝の曲げ伸ばしはできるのにお皿の前だけが異常に膨らんでいる」という独特の見た目を呈します。古くから床掃除の姿勢で頻発したことから「女中膝(Housemaid's knee)」とも呼ばれてきました。
一方、ランナーやウォーキング愛好家に多いのが「鵞足滑液包炎(がそくかつえきほうえん)」です。こちらは膝の内側、お皿から指2〜3本分ほど下がった脛骨(すねの骨)の付着部に生じます。半腱様筋・薄筋・縫工筋という3つの筋肉の腱がガチョウの足のような形で骨に付着しており、膝の屈伸運動を繰り返すことで摩擦が生じ、同部位の滑液包が炎症を起こして痛みを放散させます。