専務取締役とは?常務・副社長との違いと序列・年収相場のリアル

専務取締役とは?常務・副社長との違いと序列・年収相場のリアルについて知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。

専務取締役(せんむとりしまりやく)とは、一般的に代表取締役社長を補佐し、会社全体の日常的な業務運営を一手に統括する最高幹部を指します。日常の社内呼称では単に「専務」と略されることが大半ですが、その肩書が持つ権能は重厚です。

まず押さえておきたいのが、会社法における役員の位置づけです。現行の会社法上、株式会社の役員として明文で定義されているのは「取締役」「会計参与」「監査役」の3つのみです。条文のどこを紐解いても「専務」や「常務」という文言は存在しません。つまり、専務取締役という名称は、会社法上の「取締役」という法的身分に対し、企業が定款や取締役会規則などの内規によって付与した「社内独自の役職呼称」にあたります。

法的な観点から見れば、専務取締役は会社法第363条に規定される業務執行取締役に該当します。単に経営の監督を行うだけでなく、取締役会で決議された方針を現場で執行する直接の実行責任を負っているのです。そのため、任務を怠った際には会社や第三者に対して直接損害賠償責任を負うなど、一般の従業員とは比較にならないほど厳格な法的責任が課されます。

ビジネス文書や名刺において時折見かける「専務取締役」と「取締役専務」の表記揺れですが、法的・実務的な権限に差はありません。企業統治の慣習上、「取締役」という法律上の地位を冒頭に冠してコーポレートガバナンス上の重みを強調するか、「専務」という執行業務の序列を前面に出すかという各企業の規程スタイルの違いに過ぎません。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest