『舟を編む』小説のあらすじと結末|15年の苦難と辞書作りの真実

話題沸騰中の 『舟を編む』小説のあらすじと結末|15年の苦難と辞書作りの真実について、詳しいまとめを分かりやすく掲載しています。

刊行予定が目前に迫った15年目、編集部に未曾有の大事件が発生します。校了直前の最終チェックにおいて、本来収録されているべき見出し語「ち」の項目から、重要な単語が抜け落ちている致命的なミスが発覚したのです。1語の漏れは、他の24万語すべてに漏れが存在する可能性を意味していました。

馬締は即座に、全ページ・全語類の再照合という狂気とも言える決断を下します。編集部員だけでなく、アルバイトの大学院生、社内応援スタッフを巻き込み、昼夜を徹した突貫作業が敢行されました。紙の手触り、インクの裏抜け、めくりやすさを追求した特製辞書用紙の開発担当者までもが巻き込まれ、編集部は熱狂と極限状態のるつぼと化します。

その激闘の最中、長年『大渡海』の精神的支柱であった松本先生が食道がんで倒れ、病状は絶望的な段階へと進行していました。馬締は刷り上がったばかりの校正刷りを病室へ届け、一刻も早い完成を誓いますが、無情にも松本先生は『大渡海』の見本出しを待たずして息を引き取ります。

師を失った深い悲しみに暮れる馬締のもとに、松本先生が生前に認めていた1通の手紙が届きます。そこには、未完の辞書を残して逝くことへの無念ではなく、馬締という得難い後継者に出会い、共に言葉の海を旅することができた奇跡への感謝が綴られていました。

「言葉とは、他者を理解し、自らを伝えるための光である」——その遺志を受け継いだ編集部はすべての確認作業を終え、ついに15年をかけた巨編『大渡海』は世に出ることとなりました。出版記念謝恩会の喧騒を離れ、馬締は妻の香具矢と言葉を交わしながら、すでに始まっている「改訂」という名の終わりのない航海へと思いを馳せるのでした。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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