胃が痛い場所でわかる病気とは?みぞおち・左右・背中の危険サイン
胃が痛い場所でわかる病気とは?みぞおち・左右・背中の危険サインに関する基本知識をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。
インターネット上のQ&AコミュニティやSNS上には、「みぞおちが痛い時は市販のガスターなどのH2ブロッカーを飲めば数日で落ち着く」「キリキリ痛むのは胃痙攣だから温めれば治る」といった安易な体験談が散見されます。しかし、臨床現場の医師が最も警鐘を鳴らしているのが、この「胃薬による症状のマスキング(隠蔽)」です。
誤解1:右上の痛みも「胃の不調」だと思い込む
前述のとおり、右上腹部の痛みは胃ではなく胆のうのトラブルであるケースが極めて多く存在します。胆石発作に対して市販の胃薬を服用しても根本的な効果は得られず、胆嚢炎が急速に悪化して胆のう穿孔(穴が空くこと)や腹膜炎を引き起こす危険性があります。「脂っこいものを食べた後に右腹部や右肩が痛む」場合は、胃薬でごまかしてはなりません。
誤解2:市販薬の選び方を間違えている
市販の胃腸薬は成分によってターゲットが全く異なります。 胃酸が出すぎて胸焼けや鋭い痛みがある場合は「制酸薬」や「H2ブロッカー」、胃の運動が低下してもたれている場合は「消化酵素薬」や「健胃生薬」、胃の筋肉が過剰に収縮して差し込むような痛みがある場合は「鎮痙薬(ブスコパン等)」が適応となります。しかし、原因が分からないまま手当たり次第に服用すると、かえって胃腸の運動を止めてしまったり、緑内障や前立腺肥大症の持病を悪化させたりする副作用リスクを招きます。
誤解3:心筋梗塞や大動脈解離の「関連痛」を見落とす
消化器内科だけでなく循環器内科の救急現場でも重大視されているのが、心臓疾患による「みぞおちの痛み」です。心臓の壁の下側(下壁)が壊死する急性心筋梗塞では、胸の痛みではなく「みぞおちの激痛」や胃の圧迫感、吐き気として自覚されるケースが珍しくありません。胃痛だと思って消化器内科を受診したところ、心電図検査で即座に心臓カテーテル治療へ回される事例は現実に多発しています。