夢をよく見る人の原因とは?脳科学が暴く浅い眠りとストレスの真相
夢をよく見る人の原因とは?脳科学が暴く浅い眠りとストレスの真相についての疑問解決ガイドをご紹介します。
「自分は毎晩夢を見る体質だ」と語る人は多いですが、睡眠医学の観点から言えば、すべての人間は例外なく毎晩夢を見ています。人間の睡眠は、脳を休めるノンレム睡眠と、身体を休めつつ脳が記憶の整理を行うレム睡眠がおよそ90〜120分の周期で繰り返されます。夢の大半はこのレム睡眠中に生起しますが、通常、健康な睡眠状態では目覚めた瞬間にその記憶は揮発し、意識の表層には残りません。
では、なぜ一部の人は夢を鮮明に記憶し、あたかも「夢ばかり見ている」と感じるのでしょうか。フランス国立衛生医学研究所(INSERM)のブレイス・エルヴェ博士らの研究チームが脳機能イメージングを用いて解明したところによると、夢を頻繁に覚えているグループ(高想起群)は、音などの外部刺激に反応する「側頭頭頂接合部(TPJ)」の安静時活動量が有意に高いことが判明しています。
側頭頭頂接合部が活発な人は、睡眠中であってもわずかな環境変化(寝返りの振動、外の物音、微細な室温変化など)に対して脳が覚醒反応を起こしやすい特徴を持ちます。夢の記憶は、レム睡眠の最中、あるいは直後に「数十秒から数分間の中途覚醒」が挟まれることで、短期記憶を司る海馬から大脳皮質へと転送され、長期記憶として固定されます。つまり、夢をよく覚えているという事実は、夢を多く見ていることの証明ではなく、「睡眠が細切れに分断され、覚醒しかけている回数が多い」という客観的な証拠なのです。