「お金は汚い」の真相。企業不正と心理バリアを破る行動経済学
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では、なぜ人はこれほどまでにお金が絡むと不正に手を染め、あるいは逆にお金に対して強い心理的バリアを感じてしまうのだろうか。行動経済学の第一人者であるダン・エアリーの研究は、この問いに対して極めて明解な示唆を与えてくれる。
エアリーらの研究によれば、人間は自らを「正直で倫理的な人間だ」と信じたい欲求を持ちながらも、ほんの少しの「ズル」をして利益を得ようとする矛盾した本性を持つ。特にお金が直接的な現金ではなく、複雑な金融商品やデータへと置き換わることで、心理的な距離が生まれ、罪悪感が大幅に希釈されるという。この人間心理のバグこそが、企業不正を蔓延させ、同時にお金という存在全体に対する漠然とした不信感を生み出す源泉なのだ。