安岡正篤と細木数子、昭和の黒幕を巻き込んだ電撃婚約と泥沼訴訟
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裁判で敗訴したものの、細木数子が得た果実は余りにも大きかった。「昭和の黒幕・安岡正篤が最後に選んだ女性」という強烈な箔付けは、彼女の名を全国区へと押し上げたのである。彼女はこのスキャンダルによって獲得した知名度と、安岡の傍らで吸収した東洋哲学・易学の断片を再構築し、独自の鑑定理論を作り上げた。
それが後に空前のブームを巻き起こす「六星占術」である。
占術・運命鑑定業界において、細木の勢いは凄まじかった。古典的な四柱推命をベースにしながらも、「大殺界」という恐怖と救済を煽るキャッチーな言葉を用い、一般大衆の心理を鷲掴みにした。出版した著書は次々とミリオンセラーを記録し、ギネスブックに載るほどの出版部数を叩き出す。やがてTBSテレビの看板バラエティ番組『ズバリ言うわよ!』をはじめとする各局のゴールデン番組を席巻。「地獄に落ちるわよ」という決め台詞とともに、テレビ界の絶対的視聴率女王へと君臨することになる。