メロスはなぜ激怒したのか?太宰治の名作に隠された衝撃の真相

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『走れメロス』の根底に流れる感情の爆発。その引き金は、太宰治自身の恥ずかしい実体験にあるというのが、今日における有力な見解だ。熱海滞在中に借金を重ねた太宰が、友人の檀一雄を身代わりに人質として残し、金策のため東京へ向かったものの、そのまま戻らなかったという有名なエピソードである。

自分が裏切った後ろめたさ、情けなさ、そして自己嫌悪。太宰はそのドロドロとした実人生の痛恨事を、古代ギリシャの伝説を借りて純粋無垢な物語へと昇華させた。メロスが激怒したのは、悪政を敷く王に対してだけではない。約束を守れず、途中で諦めかけ、自堕落な現実に押しつぶされそうになる「人間の弱さそのもの」に対して怒りを滾らせていたのだ。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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