赤と青が浮き出る色立体視の真相|目の仕組みや病気の誤解を徹底解明

赤と青が浮き出る色立体視の真相|目の仕組みや病気の誤解を徹底解明にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

色立体視の興味深い点は、「見え方が万人に共通ではない」という点にある。同じテスト画像を前にしても、「赤が浮き出て青が奥に沈む」と断言する人がいる一方で、「絶対に青のほうが手前に飛び出している」と真逆の知覚を力説する人が確実に存在する。この食い違いは、決して個人の気のせいでも視力の良し悪しでもない。

見え方の違いを決定づけているのは、個々人の眼球が持つ微細な幾何学的構造の違いだ。眼科学の複数の計測データによると、健常な成人の約60〜70%は「赤が手前に飛び出る(正の色立体視)」と知覚する一方、約20〜30%は「青が手前に飛び出る(負の色立体視)」と答える。残りの10%前後は前後の奥行きをほとんど感じないか平面的に知覚する。

項目赤が飛び出る群(正の色立体視)青が飛び出る群(負の色立体視)編集部の見解・評価人口分布の推定比率全体の約60〜70%全体の約20〜30%赤突出型が多数派だが、青突出型も決して異常ではない瞳孔の偏心(カッパ角)視軸に対して瞳孔中心が鼻側に位置視軸に対して瞳孔中心が耳側に位置瞳孔の解剖学的なミリ単位の位置差で知覚が完全に反転する網膜への像投影赤の像が青の像より外側に結像青の像が赤の像より外側に結像脳が通常の外側シフト=近距離と解釈するための差異発生しやすい背景条件黒や濃紺などの暗い背景(明視野)白や淡色などの明るい背景(暗視野)背景の明度によって瞳孔径が変化し、見え方が逆転する場合もある

成人の多くは瞳孔が鼻側寄りにあるため「赤の手前感」が強く出るが、骨格や眼球の成長度合い、加齢による瞳孔径の縮小(縮瞳)によっても知覚の強弱は揺らぐ。さらに、背景の色が「白」になると瞳孔が絞られて光の入射角が変化し、暗い背景では赤が前に見えていた人が、明るい背景では青を前に感じるという「現象の反転」を体験することさえあるのだ。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest