夢よりもはかなき世の中を徹底解説|和泉式部の真相と現代語訳完全版
夢よりもはかなき世の中を徹底解説|和泉式部の真相と現代語訳完全版にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
まずは冒頭部分の原文と、ニュアンスを忠実に再現した現代語訳を照らし合わせて確認しましょう。
【原文】
夢よりもはかなき世の中を、嘆きわびつつ明かし暮らすほどに、四月十余日にもなりぬれば、木の下暗がりもてゆく。築土の上の草青やかなるも、人は通はねど、ながめらるるに、あはれに昔のことのみ思ひ出でられて、昼は終日、夜は夜もすがら、起きも臥しも嘆きつつ過ぐすほどに、五月十余日にもなりぬれば、五月雨の空も晴るる折なく、いとど曇り重ねて、ながめ暮らすほどに、帥の宮の御使ひ、橘の花を折りて参りたり。
【現代語訳】
夢よりも儚く当てにならないこの現世を、嘆き悲しみながら明かし暮らすうちに、四月十日過ぎにもなったので、木の下陰もだんだん暗くなっていく。築地塀の上の草が青々としているのも、(訪れる)人は通って来ないけれど、物思いに沈まずにはいられないまま見つめていると、しみじみと昔のことばかりが思い出されて、昼は一日中、夜は一晩中、起きていても横になっても嘆き悲しみながら過ごすうちに、五月十日過ぎにもなったので、五月雨の空も晴れる時がなく、いっそう曇り重なって、物思いに沈んで日を暮らすうちに、帥の宮(敦道親王)のお使いが、橘の花を折って参上した。