国民審査とは?白票は信任?知らなきゃ損する投票ルールと判決の真実
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制度がスタートした1949年の第1回審査から現在に至るまで、審査を受けた最高裁裁判官は200名近くにのぼります。では、国民審査で罷免された過去の事例は存在するのでしょうか。
結論から申し上げますと、過去に国民審査によって罷免された裁判官はただの一人も存在しません。裁判官が罷免される条件は「罷免を可とする票(×)が、罷免を可としない票(無印・白票)を上回り、かつ有効投票の過半数に達すること」です。しかし、現実の不信任率が50%の壁に近づいたことすら一度もありません。
総務省の歴代審査結果の公式発表資料を精査すると、歴代で最も高い不信任率を記録したのは、1972年(昭和47年)の第9回審査における下田武三裁判官の15.17%でした。下田氏は駐米大使出身で、沖縄返還協定をめぐる発言や日米安保条約に関する強硬なスタンスが社会運動・法曹関係者の激しい批判を浴び、大規模な不信任運動が展開された結果でした。同日審査の内田藤雄裁判官も15.15%を記録しましたが、それでも過半数の50%には遠く及びませんでした。
近年の不信任率は、多くの裁判官がおおむね6%〜9%の狭いレンジに収まる傾向が続いています。有権者の大半が白票を投じるため、組織的な不信任運動が起きても数字が大きく跳ね上がりにくい構造になっているのです。この実態から、法学者やジャーナリズムの間では「国民審査は事実上の形骸化に陥っている」「単なる信任の自動追認装置だ」という手厳しい批判が絶えず投げかけられてきました。