西郷隆盛銅像の知られざる謎と歴史|愛犬ツンと高村光雲の意図

西郷隆盛銅像の知られざる謎と歴史|愛犬ツンと高村光雲の意図の注目されている理由を丁寧にまとめました。全体像を一目で把握できます。

本体を手掛けたのは、後に日本彫刻会の礎を築くこととなる近代日本彫刻美術の巨匠・高村光雲だ。そして傍らに寄り添う愛犬「ツン」は、動物彫刻の名手として知られた後藤貞行が分担して制作した。二人の巨匠による分業体制が、この独特な世界観を生み出している。

なぜ軍服ではなく、ウサギ狩りに向かう庶民的な姿なのか。西南戦争で賊軍の将として没した経緯もあり、軍服姿での建立には政治的な摩擦が絶えなかった。高村光雲は、権力者としての政治家・西郷ではなく、薩摩の自然を愛し庶民に親しまれた「人間・西郷隆盛」を表現することに傾注した。犬を連れたカジュアルな姿は、政治的対立を解きほぐし、国民的ヒーローへと昇華させるための計算された芸術的意図でもあったのだ。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest