70代高齢者の血圧正常値は?下げすぎの危険と新降圧目標の真相
70代高齢者の血圧正常値は?下げすぎの危険と新降圧目標の真相の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
老年医学および高齢者社会学の視点から導き出される最終結論は極めて明快だ。70代における血圧管理は、「年齢」という記号で一括りにするのではなく、本人の「身体機能(フレイル度)」と「自立度」を基準に峻別しなければならない。
家族や本人が治療の積極性を判断するための、具体的な仕分け基準を提示する。
▼厳格な降圧(家庭血圧125〜130未満)を目指すべき人の条件
- 70〜74歳で、足腰が極めてしっかりしており、日常的な運動習慣がある。
- 過去に脳梗塞、一過性脳虚血発作、心筋梗塞、狭心症を起こしたことがある。
- 糖尿病や慢性腎臓病(CKD)を合併しており、尿蛋白が出ている。
- 立ちくらみやふらつきといった自覚症状が皆無である。
▼緩やかな管理(家庭血圧135〜140台を許容)にとどめるべき人の条件
- 75歳以上の後期高齢者、または実年齢にかかわらず歩行速度の低下や体重減少(フレイル徴候)が見られる。
- 立ち上がったときにめまいを感じる、あるいは過去1年以内に転倒した経験がある。
- 認知機能の低下が疑われる、または日中の傾眠傾向が強い。
- 下の血圧(拡張期)がすでに60〜65mmHg程度まで下がっている。
- 多種類の薬を常用しており、これ以上の薬剤追加が誤薬・副作用リスクを高める。
「血圧を下げる」という行為は、心血管病を防ぐ強力な盾であると同時に、扱いを誤れば高齢者の自立を奪う刃にもなる。数値の優等生を目指すあまり生活の活力を奪われてはならない。自身の体が発する声に耳を傾け、主治医と対等に対話しながら「自分だけの適正血圧」を維持することこそが、健康寿命を全うするための唯一解である。