教科書が隠した班田収授法の罠とは?古代国家の野望と崩壊の真相

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国家の過酷な締め付けに対し、民衆もただ黙って従っていたわけではない。当時の戸籍を調査すると、目を疑うような記録が頻繁に出現する。戸の構成員が「9割以上女性」という、統計学的にあり得ない戸籍が各地で作られていたのだ。

これこそが、古代の庶民たちが編み出した究極のサバイバル術「偽籍」である。庸や調、兵役といった重労働の義務は成人男性(正丁)にのみ課されていた。そのため、男児が生まれても戸籍上は「女」として虚偽の申告を行い、納税と徴兵を逃れようとしたのだ。地方の役人もまた、逃亡によって荒廃する農村の現実を前に、こうした偽装工作を黙認せざるを得ないケースが多発していた。法で民を縛り上げようとすればするほど、国家の把握する数字と現場の実態は乖離していった。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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