なぜ焼き鳥なのに豚やダルム?久留米焼き鳥の真相と地元民激推し名店
なぜ焼き鳥なのに豚やダルム?久留米焼き鳥の真相と地元民激推し名店とはどのようなものなのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
久留米は全国の焼き鳥愛好家の間でも「日本一のやきとりの街」として熱烈に認知されています。2000年代初頭の公式調査において、市内の焼き鳥店舗数が人口1万人あたり約7.4軒を記録し、当時の日本一に輝いたことが契機となりました。北海道室蘭市や愛媛県今治市、埼玉県東松山市など全国の名だたる焼き鳥タウンと肩を並べながらも、久留米の際立つ特徴は「何でもありの圧倒的メニューバリエーション」にあります。
久留米の焼き鳥店におけるメニュー数は一般的な専門店の比ではなく、1軒で50種類から80種類以上の串を取り揃える店も珍しくありません。肉類、内臓系、魚介類はもちろん、野菜巻き串の進化も凄まじく、今や全国の居酒屋で定番となった「アスパラガス巻」も久留米の老舗が考案して全国へ波及させた歴史を持ちます。
また、席に着くと注文もしていないのに当たり前のように差し出される平皿いっぱいのキャベツも、九州焼き鳥の象徴的な光景です。特製のポン酢風タレ(酢醤油)がかけられたこの「酢キャベツ」は、基本的に無料でおかわり自由のスタイルが広く定着しています。発祥については諸説あり、福岡市内の老舗居酒屋が口直しのために考案したスタイルが久留米に伝播したという見方が有力ですが、久留米においてこれほどまでに熱狂的に受容された理由は、提供される串の特性と見事に合致したからです。
脂の乗った肉厚な豚バラや、濃厚なタレと脂のコクを持つダルムを何本も平らげる際、酸味の効いた酢キャベツを一口挟むことで口内の脂っぽさが一瞬でリセットされます。焼き上がった熱々の串をキャベツの山の上に直置きし、串から落ちた旨味エキスが絡んだキャベツを最後につまむという、合理的かつ機能美に満ちた飲食体験が久留米の夜を支え続けています。