えんじ色とは?ボルドーとの違いや由来・Jis規格コードを徹底解明
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日本で「えんじ色」と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのが、早稲田大学のスクールカラーです。箱根駅伝や大学ラグビー、東京六大学野球の応援スタンドを染め上げる「えんじの旗」は、大学の象徴として揺るぎない地位を築いています。しかし、なぜ早稲田は日本の伝統色である臙脂色を選んだのでしょうか。
早稲田大学の公式記録および大学史資料によると、その発端は明治38年(1905年)に行われた野球部のアメリカ遠征にあります。日本スポーツ史上初となる海外遠征を率いた安部磯雄部長(後の日本社会主義運動の先駆者)の一行は、米国の名門シカゴ大学と対戦しました。
この遠征時、シカゴ大学の選手たちが身にまとっていたユニフォームのスクールカラーこそが、暗赤色の「マルーン(Maroon)」だったのです。当時の部員や関係者は、シカゴ大学の凛としたユニフォーム姿と学風の気品に深い感銘を受けました。帰国後、安部部長らの進言によって、シカゴ大学のマルーンを範とした深みのある赤が早稲田野球部のチームカラーとして採用され、それがやがて大学全体のスクールカラーへと昇華していきました。
興味深いのは、西洋の「マルーン」を取り入れながらも、日本古来の言葉である「えんじ色」という呼び名が自然発生的に定着した点です。早稲田大学が定めている公式カラーガイドライン(Waseda Red)では、指定色としてDIC F-87、Pantone 202C、HEX: #8E1728といった厳格な数値が定義されています。外来文化を柔軟に受容しつつ、自国の伝統的な色彩感覚に落とし込んだこのエピソードは、近代日本の文化形成を象徴する好例と言えます。