『北の国から』歌の真実!歌詞なき主題歌の誕生秘話と名挿入歌一覧
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フジテレビ系列で1981年10月にスタートした連続ドラマ『北の国から』。そのオープニングを飾る主題歌「遥かなる大地より」は、一度聴けば誰もが口ずさめる「あーああああああー」という印象的なハミングで構成されています。ポピュラー音楽の主題歌でありながら、一切の歌詞が存在しないという前代未聞の構成は、いかにして生まれたのでしょうか。
当時の特番インタビューや自著、関係者の証言によると、事の発端は脚本を手掛けた倉本聰とシンガーソングライター・さだまさしの富良野での直接対面にありました。倉本から直接楽曲制作の依頼を受けたさだまさしは、完成前の第1話ラッシュフィルム(編集中の映像)を見せられます。大自然の中で言葉を失い、不器用に生きようとする人間たちの生々しい姿を目の当たりにしたさだに対し、倉本は静かにこう告げたといいます。
「まさし、言葉はいらないんだ。大自然の雄大さや厳しさ、人間の孤独や祈りは、どんな言葉を並べても嘘っぽくなってしまう。言葉を捨てて、スキャット(ハミング)でメロディだけを紡いでくれ」
倉本の強い想いを受け止めたさだまさしは、その場でピアノの前に座り、映像の余韻を噛み締めながら即興でハミングを乗せました。そのとき紡ぎ出されたメロディこそが、後に国民的テーマソングとなる「遥かなる大地より」の原型でした。あえて歌詞を排除し、母音の響きだけに委ねることで、聴く者それぞれの胸にある「故郷」や「家族の原風景」を投影できる余白が完成したのです。言葉を削ぎ落とすという逆転の発想こそが、半世紀近く愛され続ける普遍性を生み出す決定打となりました。