血液検査で何がわかる?数値異常の裏に潜む大病とがんリスクの真相
血液検査で何がわかる?数値異常の裏に潜む大病とがんリスクの真相とはどのようなものなのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。
取材班が大手健康保険組合や健診受診者を対象に調査・現場観察を進めると、血液検査の結果に対する受診者の行動パターンには顕著な偏りが存在することが浮き彫りになりました。特にSNSや大手Q&Aサイトでは、毎年健診シーズンを迎えるたびに以下のような生々しい告白が投稿されています。
「γ-GTPが120を超えて要精査と書かれていたが、酒の量を少し減らしたら次の年には80に下がったので病院には行っていない」「HbA1cが6.1%でイエローカードを出されたが、体が痛いわけでもだるいわけでもない。忙しさを理由に3年間放置してしまった」――。
国立がん研究センターや厚生労働省の関連統計でも、健康診断で「要精密検査」の判定を受けながら実際に医療機関を受診する割合は、項目によっては30〜50%台にとどまるという厳しいデータが示されています。なぜ人は、異常を数字で突きつけられながら行動を起こさないのでしょうか。
ここには、心理学でいう「正常性バイアス(都合の悪い情報を過小評価し、自分だけは正常の範囲内だと思い込む認知の歪み)」が色濃く作用しています。骨折や急性虫垂炎のような「激痛」を伴う異常に対しては即座に病院へ駆け込むのに対し、血液検査が暴き出す動脈硬化、初期糖尿病、脂肪肝、慢性腎不全などは、痛覚によるアラートを一切発しません。受診者は「痛くない=まだ病気ではない」という誤った等式を脳内で作り上げ、精密検査受診という心理的・時間的コストから逃避してしまうのです。