桜餅の葉っぱ、実は食べるべき?職人だけが知る3つの真相
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桜餅を包む葉は、近所の公園に咲くソメイヨシノの葉を適当に摘んできたものではありません。全国で流通する桜葉漬けの約70%という圧倒的シェアを誇る一大産地が、静岡県西伊豆に位置する伊豆松崎町(まつざきちょう)です。
桜餅に使用される品種は、主に伊豆諸島や伊豆半島に自生する「オオシマザクラ(大島桜)」に限定されています。春の花見で一般的なソメイヨシノの葉は、裏面に細かな毛が密集しており口当たりが悪く、クマリンの前駆物質の含有量も多くありません。一方、オオシマザクラの葉は毛が生えておらず表面が滑らかで、葉のサイズが大きく柔軟性に優れ、塩漬け発酵させた際に極めて豊かな芳香を放つという、和菓子にとって理想的な特質を備えています。
松崎町では初夏、新芽が伸びた若枝から手作業で選別しながら葉を摘み取り、木樽の中で塩水とともに約半年間じっくりと発酵熟成させます。この塩漬け加工によって、天然の防腐効果を持つクマリンが生成され、江戸時代には防腐剤・抗菌シートとしての役割も担っていました。冷蔵技術のなかった時代に、江戸の町人が桜餅を傷ませずに美味しく運ぶために生み出された先人の知恵が、伊豆松崎町の伝統産業として2026年の現代にも受け継がれています。