「命の砦」が生む覚悟と革新。日本初ドクターカーの現場を独占取材
「命の砦」が生む覚悟と革新。日本初ドクターカーの現場を独占取材の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。
今でこそ全国各地で運用されているドクターカーだが、その産声を上げた場所こそが大阪府済生会千里病院に設置された同センターである。重症患者のもとへ直接医師と看護師を派遣し、病院に到着する前の「プレホスピタルケア(病院前救護)」を開始する——この革新的なシステムを推し進めた中心人物が、当時センター長を務めた故・杉本壽医師であった。
昭和の終わりから平成にかけて、交通事故の急増とともに搬送遅延や初期治療の遅れが深刻な社会問題となっていた。患者を待つ受動的な医療から、自ら現場へ飛び出す能動的な医療へ。杉本医師らの情熱と厚生労働省をはじめとする関係各所の粘り強い交渉が実を結び、1993年には本格的なドクターカー導入事業が始動。日本の救急医学史における歴史的な第一歩となった。