長崎・島原名物かんざらしの真実|銀水復活と秘伝の蜜レシピ徹底解剖
長崎・島原名物かんざらしの真実|銀水復活と秘伝の蜜レシピ徹底解剖にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。
この甘味がなぜ「かんざらし」と呼ばれるのか、その名には日本の気候風土と先人の生活の知恵が克明に刻まれています。かんざらし由来と歴史の経緯を紐解くと、文字通り「寒晒し(かんざらし)」という古来の製法に行き着きます。
江戸時代から島原半島では、冬の一番寒い大寒の時期(1月中旬から2月上旬)に、精米時に出るくず米などを清流の水に数昼夜浸し、石臼で細かく挽いて水の中で沈殿・精製させたのち、冬の寒風と天日にさらして粉を作っていました。この極寒の澄んだ環境で作られた米粉は「寒ざらし粉(現在の白玉粉や上新粉の原型)」と呼ばれ、不純物が極限まで抜け落ちて長期保存が可能となり、独特の滑らかな舌触りを生み出しました。
さらに、島原藩主へのおもてなし料理や、灼熱の夏に訪れた来客を労うための冷たい茶請けとして、町家や農家で親指大の小さな団子を丸め、冷たい湧水でキュッと冷やして自家製の砂糖蜜をかけるスタイルが確立されたと伝えられています。冷蔵庫のない時代、一年を通じて15度前後に保たれる豊富な湧水があったからこそ成立した、自然冷涼の贅沢な知恵の結晶です。