なぜ高熱で奇妙な悪夢を見るのか?インフルエンザと脳の緊急事態
なぜ高熱で奇妙な悪夢を見るのか?インフルエンザと脳の緊急事態とはどんな影響があるのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。
熱が出ているとき、私たちの脳内では一体何が起きているのか。2026年の最新の脳科学研究および医学文献データベースPubMedに収められた複数の論文が、そのブラックボックスを解き明かしつつある。体内に侵入したインフルエンザウイルスに対抗するため、免疫細胞はプロスタグランジンE2(PGE2)や各種サイトカインと呼ばれる情報伝達物質を大量に放出する。これらの物質が血流に乗って脳の視床下部に到達すると、体温のセットポイントが一気に引き上げられ、高熱が発生する仕組みだ。
問題は、この高熱が脳の情動をつかさどる扁桃体や、記憶を統合する海馬の活動を極度に不安定化させる点にある。睡眠医学の知見によれば、高熱時は浅い眠りであるレム睡眠と深いノンレム睡眠の周期が激しく断片化する。本来なら夢の内容を現実と切り離して整理する機能が麻痺し、脳は過剰に活性化した扁桃体からの恐怖シグナルをダイレクトに映像化してしまう。これが、熱病特有の苛烈な悪夢を生み出す真犯人だ。